人生は砂上の楼閣、不倒の仏地こそが幸せ

 10月は、紅葉し始めているわが家の前の街路樹の様子から、

と思っていたら、とんでもない地震のニュースが、飛び込んで

きました。

 インドネシアスマトラ島西部を襲った大地震で、死者が

数千人に上る可能性もあるそうです。


YAHOO!ニュースより
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091001-00000006-maip-int


 大地が揺れたら、それまで営々と築いてきた家も財産も

すべて失わねばならない。さりとて、海上や宇宙空間に住むわけにも

いかず、「私の街だけは、そんな地震はなかろう」と、

はかない望みを持って、人間はそこに住んでいるワケです。


 親鸞聖人のように、絶対に揺るぎない仏地に、心を樹てようじゃ

ありませんか。高森顕徹先生監修『なぜ生きる』より。

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   よろこばしきかな。 心を弘誓の仏地に樹て、 念を難思の法海に流す。

   ふかく如来の矜哀を知りて、 まことに師教の恩厚をあおぐ

   慶喜いよいよ至り、 至孝いよいよ重し。 (中略)

   ただ、 仏恩の深きことを念じて、 人倫の嘲を恥じず。

   もし、 この書を見聞せん者は、 信順を因となし、 疑謗を縁となし、 信楽を  
 
 願力にあらわし、 妙果を安養にあらわさん (『教行信証』 後序)  

「昔、 楚の国 (中国) の愚人が、 家宝の剣をひそかに持ち出し、 急流に浮かべた

舟上で、 試し切りに興じていた。 切れすぎた反動で、 剣は飛んで水中にジャボンと

落ちた。 舟はどんどん流されてゆく。 驚いた彼は、 さっそく、 剣の落ちた舟べりに

小刀で、 深く印を刻み込み、 ”やれやれこれで、 剣のありかは安心じゃ”と

つぶやいたという。 刻印の移動が念頭にない愚かさを笑ったものであろう。

 金や財を力にしている者は、 金や財を失った時に顛倒する。 名誉や地位を力に

している者は、 それらをなくした時に失墜する。 親や子供を力にしている者は、

親や子を亡くした時に倒壊する。 信念を力にしている者も、 信念ゆらいだ時に

また崩壊する。

 崩れるものに樹てる人生は、 薄氷を踏むように不安だが、 たとえ釈尊、 善導、

法然さまがゆらごうとも、 心を不倒の仏地に樹て、 不思議の世界に生かされた

親鸞は、 なんと幸せ者なのか。 ますます阿弥陀如来の慈愛の深きを知らされ、

師教の高恩を仰がずにおれない。

 限りなきよろこびは、 返し切れない報恩に親鸞を泣かす。 この弥陀の大恩を

念うとき、 世間の恥辱など、 ものの数ではありえない。

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  高森顕徹先生公式サイトはこちら。

   http://www.takamori.info/