弥陀の救いに向かってこそ「人間の真の生きる道」

 第2次世界大戦中の「死の行進」って知ってますか。

 1942年、フィリピンのバターン半島を攻略した日本軍が、

捕虜を炎天下で長距離歩かせ、多数の死者を出したとされる事件です。

その写真だとされた歴史的な1枚が、実は数週間後の別の写真だった

そうです。


http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100321-OYT1T00456.htm


 写真の是非はともかく、捕らえられたアメリカとフィリピンの兵士

約5万と、一般難民約3万は皆飢え、多くがマラリアなどの風土病に

かかっていたといわれます。彼らを、フィリピンで最も暑い4月に、

マニラから100キロ以上離れたサンフェルナンドまで歩かせたのです。

途中、水も食糧も与えず、倒れた者は刺殺・銃殺され、8千人が

死んだといいます。責任者の本間雅晴中将は敗戦後、

戦犯として処刑されました。


 人生の目的を知らずに生きるのは、行き先分からぬまま歩く

捕虜のようなもの。「死の行進」に違いありません。

 私たちの一生は、こんな絶望的な惨劇なのでしょうか。

高森顕徹先生著『歎異抄をひらく』には、こう書かれています。

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「仏教」と聞くと、地獄や極楽など死後物語ばかりとされている。

「弥陀の誓願」といっても、〝死後の極楽参り〟か、ぐらいに

考えている人がほとんどだ。

 万人のその誤解を正し、弥陀の救いは〝今〟であり、その救済は

如何なるものかを明示し、人間の真の生きる道をひらかれたのが

親鸞聖人である。

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 現在ただ今、「摂取不捨の利益」という凄い弥陀の救いに遇うことが

人生の目的。それに向かって生きるのが、「人間の真の生きる道」です。

決して、苦しみもだえて死ぬために、生きているのではありません。


 今日の、テレビ座談会で教えていただきました。