阿弥陀仏を信じるのも自力の信心?私の心で信じるから

 富山県射水市親鸞会館が擁する二千畳の大講堂で、

今日、座談会が行われましたよ。

高森顕徹先生は、ご著書の『歎異抄をひらく』を通して、

歎異抄』の〝扇の要〟「ただ信心を要とす」(第1章)

の「信心」とはどんなことか、詳しく教えてくださいました。


「信心」というと、心で何かを信じること。神や仏を

信じることだと思っている人が多いでしょうが、

明日もあると命を信じ、健康を信じ、家族を信じ、

金や財産、地位、名誉を信じるのも、信心です。

 何かを信じなければ、私たちは生きていけません。


 それらはすべて、自分の心で信じるから、

「自力の信心」といわれます。命も健康も、家族も、

この世の幸せは何一つ、永遠なるものはありません。

たとえ、80年か100年続いても、死んでいく時には、

心の明かりにならないではありませんか。

 信じていたものに裏切られたら、私たちは苦しみます。

病気で苦しむのは、健康に裏切られたから。

交通事故で家族を失って、悲嘆のどん底の人もあります。


 では、もう裏切らないものはあるのでしょうか。

あるのです。大宇宙の数え切れないほどの仏の、

本師本仏といわれる阿弥陀仏こそ、私たちをもう

捨てられることのない仏さまなのです。


 ところが、その弥陀を信じるのも、自力の信心であり、

親鸞聖人の勧められた「他力の信心」ではないので、

助からないと仰るのです。なぜでしょう。

感動ありがとうパラリンピック、でも色あせる宿命

 バンクーバーパラリンピックは、もう終わったそうですね。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100323-00000011-maip-spo


 日本はメダル11個、過去最高とのことでした。メダルの数よりも、

障害に負けず、人生をかけて競技する選手の心意気が、

感動・感激を与えるのではないでしょうか。


 でも、この世の感動は、やがて色あせ、忘れ去られるもの。

次の瞬間から崩壊が始まり、オリンピックの感動ともなれば、

もう消滅した人も多いのでは。


 それに比べて、すべての人を絶対の幸福に救うという

阿弥陀仏の本願に救い摂られ、未来永劫の幸せになった感動は、

色あせることがありません。


 蓮如上人の『御一代記聞書』には、次のような一節があります。

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「『物には飽くことはあれども、仏に成ることと、

弥陀の御恩を喜ぶとは、飽きたる事はなし。焼けども失せぬ重宝は

南無阿弥陀仏なり。然れば、弥陀広大の御慈悲殊勝なり。

信ある人を見るさえ尊し。よくよくの御慈悲なり』と云々」

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 永遠の幸福である弥陀の救いこそ、人生の目的ですね。

弥陀の救いに向かってこそ「人間の真の生きる道」

 第2次世界大戦中の「死の行進」って知ってますか。

 1942年、フィリピンのバターン半島を攻略した日本軍が、

捕虜を炎天下で長距離歩かせ、多数の死者を出したとされる事件です。

その写真だとされた歴史的な1枚が、実は数週間後の別の写真だった

そうです。


http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100321-OYT1T00456.htm


 写真の是非はともかく、捕らえられたアメリカとフィリピンの兵士

約5万と、一般難民約3万は皆飢え、多くがマラリアなどの風土病に

かかっていたといわれます。彼らを、フィリピンで最も暑い4月に、

マニラから100キロ以上離れたサンフェルナンドまで歩かせたのです。

途中、水も食糧も与えず、倒れた者は刺殺・銃殺され、8千人が

死んだといいます。責任者の本間雅晴中将は敗戦後、

戦犯として処刑されました。


 人生の目的を知らずに生きるのは、行き先分からぬまま歩く

捕虜のようなもの。「死の行進」に違いありません。

 私たちの一生は、こんな絶望的な惨劇なのでしょうか。

高森顕徹先生著『歎異抄をひらく』には、こう書かれています。

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「仏教」と聞くと、地獄や極楽など死後物語ばかりとされている。

「弥陀の誓願」といっても、〝死後の極楽参り〟か、ぐらいに

考えている人がほとんどだ。

 万人のその誤解を正し、弥陀の救いは〝今〟であり、その救済は

如何なるものかを明示し、人間の真の生きる道をひらかれたのが

親鸞聖人である。

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 現在ただ今、「摂取不捨の利益」という凄い弥陀の救いに遇うことが

人生の目的。それに向かって生きるのが、「人間の真の生きる道」です。

決して、苦しみもだえて死ぬために、生きているのではありません。


 今日の、テレビ座談会で教えていただきました。

ホームランの世界記録を打ち立てても忘れ去られる

 東京オリンピックの昭和39年に生まれた、野球小僧の私に

とって、プロ野球のスーパースターは、すでに衰えの目立った

長嶋茂雄ではなく、王貞治でした。

「4番 ファースト 王」

と自分でアナウンスして、右足上げてバットを構えたものです。


 その王さんの、「王貞治ベースボールミュージアム」が、7月、

福岡ソフトバンクのヤフードーム内に開設されるそうですね。


http://www.afpbb.com/article/sports/baseball/baseball-others/2708244/5472995


 通算868本のホームランを初めとする偉業を称える

博物館だそうです。


 この構想に、王さんは、こんなコメントを語っています。

「私は夢中で野球をやっただけ。未来の子どもたちに

こういう人がいたんだとお役に立てば……」

 どんな記録も、早晩忘れ去られ、

「そんな人、いたのか!?」

と思われます。王さんのような人もしかり、私なら10年も

もたぬでしょう。


 名誉や地位はこの世限り。今生で弥陀の本願に救い摂られた

人は、往生極楽間違いない身になれるのです。

 王さんも聞いてください。

信心の沙汰をするためのF館、掃除しました!

 富山県射水市浄土真宗親鸞会館から車で5分、

「同朋の里」に誕生したF館を、有志で掃除しましたよ!





 5階建てで700人宿泊可能。食事も入浴もできます。

 そして、何と言っても、1500人が一度に仏法讃嘆

するために、ちょうどいい大きさの部屋がたくさんあり、

1階ロビーも語りたくなる居住まいです。


 写真でよく見ている人も、自分の目で見てください!

欲と怒りの河が現れる〜救われるまでの心の道程

 昨日は、親鸞会館でご法話が開催されました。

善導大師の「二河白道の譬喩」について、教えていただき

ましたよ。

 お釈迦さまは、幸せ求める旅人に、「西へ向かって進め」と

おっしゃいます。

 仏教の根幹は「因果の道理」。

「善因善果

 悪因悪果

 自因自果」

 善い結果がほしい、悪い結果はイヤだ、と思わない人は

ありませんから、善い行いをしよう、悪いことはやめようと思うと、

欲や怒りの心との闘いになります。それが、水の河と火の河の

二河です。

 弥陀の無条件の救いに値うまで、この心の道程を進ませて

いただきましょう。