9・11ロサンゼルスご布教(3)〜その後の世界と親鸞学徒

 テロがアルカイダの仕業で、アフガンに潜伏しているとなった時、

アメリカにたくさんいるアジア系の人たちは、各家の玄関にいきなり

星条旗を掲げ、「私はアメリカを愛しています」という意思表示を

始めました。そうしないと、アジア系だという理由だけで、

不当な襲撃を受けるといわれたのです。

 私がよく仏教を話していた韓国人の初老男性は、ダウンタウン

星条旗バッジを買ってきて、「あなたもこれを付けなさい」と、

大真面目な顔で渡してくれました(ホント)。しっかり、3ドル

支払わされましたが……(ホント!)。


 そしてアメリカは、泥沼のアフガン戦争、さらにイラク戦争

突入しました。その結果、世界貿易センタービルで犠牲になった人数以上の

アメリカ兵が自爆テロなどで殺され、恐怖から自殺に追いやられる人やら、

無事に帰国しても今なおPDSDで苦しむ人が多いといわれます。

 私がアメリカにいた時、毎日のように通っていたカレッジでは、

米軍がよく兵士の募集をしていました。軍に入れば、学費が免除される

ようで、経済的に苦しい黒人層も多いそのカレッジでは、入隊する人が

多かったのではないでしょうか。


 白人も黒人もアジア系も、キリスト教徒もイスラム教徒も、

殺したり殺されたり、何のために生きているのか。

 ロサンゼルスで4日間にわたって、高森顕徹先生が徹底してくだされた

「なぜ生きる」は、日本人だけでなく、全世界の人に最も重要な、

切迫した問題であることが、世界情勢からも明らかではありませんか。


 ロサンゼルスでご説法をお聞きし、すでに20年近くアメリカに

在住していた80歳過ぎのご夫婦が、日本へ帰国することを決められました。

聞法のためです。

 そのカレッジにいた日本人留学生たちも、母国に帰り、それぞれ

新たな仕事をしながら、聞法や法施に突き進んでいます。

 アメリカの学徒は、今や西海岸のみならず、かのニューヨークや

ボストンにも進出しています。

 全人類が「なぜ生きる」を知らない中にあって、親鸞学徒の活躍は

本当に素晴らしいですね。親鸞聖人の教えにしか、生きる意義は

ありません。これ以上幸せな人は、世界にないのです。


 9・11に、思いを巡らせました。








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