9・11ロサンゼルスご布教(2)〜各国への帰路に大打撃
8年前に同時多発テロが発生し、高森顕徹先生の座談会は、ヒルトンホテル・
ロングビーチで無事に開催されたものの、日本始め、ブラジル、台湾など、
各国からの参詣者の帰路に大きな問題が起きました。海外航路がほとんど
ストップしてしまったのです。
仕事を休んで参詣した学徒の中には、国際電話で事情を会社に連絡すると、
テロ真っ只中のアメリカにいることをずいぶん心配されたようです。
「なぜ、そこにいるの!?」
「実は、仏教を聞きに来ているのです」
という会話で、聞法に掛ける親鸞学徒の心意気を伝えた人もあったとか。
急遽、ロサンゼルス会館近くのホテルを多数押さえ、日本からの参詣者が
滞在できるようにし、会館はブラジル学徒に宿泊してもらえるよう、
準備しました。アメリカ担当だった私は、学徒を車で買い物に連れて行ったり、
会館でお世話をしたり、の毎日になりました。
でも、中には病気治療などの理由で、どうしても早く帰国しなければ
ならない参詣者がありました。英語に堪能なアメリカ学徒は、連日、
ロサンゼルス空港の各社カウンターに押しかけ、わずかな空席を確保する
ため、交渉を重ねたのです。その人たちがいちばん大変だったと思います。
会館はブラジル学徒がたくさんいるので、いつもにぎやか。でも、
1週間近く泊まられることになって、皆さんも大変だったでしょう。
最後の一人が帰国し、ようやくホッとできたのは、10日後ほどだった
でしょうか。私も、どっと疲れを感じました。
その後の高森先生のご法話は、富山の親鸞会館で行われることとなり、
アメリカ学徒は、どのようなお体の中をご説法なさっていたかを
思い知らされたのでした。