自殺は伝染する〜「人生は苦なり」

 マイケル・ジャクソンが先月25日に急死してから、世界中の

熱狂的なファンが、次々と自殺を図っているといいます。


http://www.zakzak.co.jp/gei/200907/g2009070236_all.html


 これまでに少なくとも12人のファンが後追いを試みたそうで、

実際に死者が出たかどうかは分からないそうです。

「何でそんなこと……」と思う人もあるでしょうが、それほど、

マイケルや彼の音楽だけを明かりに、苦しみの人生を渡ってきた

人が多いのでしょう。


 自殺は伝染する、といいます。

 日本で古くは明治36年に、旧制一高(現在の東大)で西洋哲学を

学んでいた藤村操という18歳の青年が、「人生不可解」という

言葉を残し、日光の“華厳の滝”に投身しました。

 当時は「哲学的自殺」として、非常にセンセーショナルなニュースに

なったようです。それから4年間に華厳の滝へ飛び込んだ人は

185人に上り、「自殺の名所」という汚名を着せられてしまいました。


 私の大学時代には、アイドル歌手だった岡田有希子がビルから

飛び降り、ちょうど居合わせたカメラマンによって、生々しい

現場がスクープされました。(ショックだったぁ……)

「ユッコちゃんのようになりたい」という後追い自殺が社会問題に

なっています。

(もっとも、マイケルは自殺じゃありませんが、ファンの間で

 伝染しているようです)


 現在、日本の自殺者は、年間3万2千人ほど。11年連続で、

3万人を超えています。正確な統計があるわけではありませんが、

その10倍の自殺未遂があり、100倍の自殺願望者があると

指摘する人もいます。

 そんなハイリスクの人たちに、自殺は伝染するのです。

お釈迦さまがおっしゃったとおり、「人生は苦なり」ですね。


 苦しみの波を絶えない大海原に溺れているかの人生で、ともすれば

泳ぐのをやめて自ら命を絶とうとする人にも、親鸞聖人は仰せです。

「弥陀の願船があるぞー、その船に乗るために生まれてきたのだ」と。





 浄土真宗親鸞会 公式ホームページはこちら

    http://www.shinrankai.or.jp/