一念の救い〜高齢の親鸞学徒の苦悩

 インフルエンザも終息しかかっているようです。

 延期になっていた、富山県射水市浄土真宗親鸞会館での、

親鸞聖人降誕会」が、今月20、21日に開催されることに

なりました。日本全国、海外からも、真摯な親鸞学徒が

集まってこられると思います。


 私の手元に、熊本の93歳のおじいさんから届いた手紙が

あります。


(熊本城)


「今年の降誕会には、もう体が衰弱してしまいまして、

とても行けるような体力がなくなりました。心はいつまでも

変わらないのですが、体はもう限界に近いのだろうと思います。

『一向専念無量寿仏』、命のある間に阿弥陀仏に救われたい、

そのこと一つ達成するため聞法に精進してまいりましたが、

釈尊が『易往而無人』とおっしゃったように、

阿弥陀仏のご廻向に救われることは、難中の難と思います。

 いつも聴聞して、高森顕徹先生のご説法を聞かせて

いただいております」


 93歳とは思えない力強い筆致で、体力の限界と闘う

胸の内を吐露しておられます。地元・熊本では、今でも

よく聞法されているようですが、富山へ参詣するのは大変で、

昨年も一昨年も、降誕会報恩講の前になると葛藤され、

それでも参詣されていました。親鸞会館でお会いすると、

満面の笑みでいつも握手してくださいました。


 親鸞聖人の教えは「死んだらお助け」だ、くらいに誤解して

いる人がほとんどの中、弥陀の本願に救い摂られるところまで、

命いっぱい聞き求めようとされるお姿は、尊いですね。

 弥陀の本願は、アッと言う間もない一念で、この世から

未来永劫救いたもう無上の妙法です。いつ、どこで、

弥陀のみ声が届くか、分かりません。


 私も無常迅速の身、先に後生へ旅立たねばならないかも

しれません。「命の火が消えるまで、聞き求めましょう」と、

手紙にしたためずにはおれませんでした。





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    http://www.shinrankai.or.jp/