宇宙に息づく人間とは何か
読み比べることができる、「あらたにす」というニュースサイトが
あります。私の〝お気に入り〟サイトの1つです。
ニュースだけでなく、社説やコラム、各界識者の書き下ろしの
投稿もあります。
私は特に、「読売新聞」1面コラムの「編集手帳」を毎日、
チェックするようにしています。文章も内容も勉強になります。
今日の分から、ちょっと紹介。
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市川家の荒事(あらごと)の見せ場だ。六方とは東西南北そして天地の方向、
つまり前後左右上下、宇宙の全方位である◆あの豪快な引っ込みの芸を
六方と呼ぶのは、〈それぞれの方向の果てまで鳴り響く堂々とした歩き方〉
という意味がある。本紙ホームページ「宇宙飛行士若田光一との
対話ブログ」で、市川団十郎さんから若田さんに宛(あ)てたメールに
教えてもらった◆〈荒事の宇宙観は、ほかに陰陽すなわち光と陰、
そして生物の吸う息、吐く息、これらの要素を基軸として構成されて
います〉。伝統に生きる歌舞伎役者は、科学の最先端を行く宇宙飛行士と
一脈通じ合うらしい◆団十郎さんは、地上の東西南北天地では得られぬ
感覚を伝えてほしい、と若田さんに次の問いを投げかけた。〈暗黒の陰が
ひろがる宇宙空間にある星々の明かり、陽光を受けて輝く地球や月、
それらを受け止めて何かを感じることのできる、不規則な息をしながら
生きる人間〉とは何か◆奥深い問答が始まる気配だ。順調に任務をこなす
若田さんの、宇宙からの返信がもうじき届く。