姫路城、わずか20年の秀吉の城
少し前に、仕事で姫路に行ってきました。
JRの駅から歩いて10分、街中に、かの有名な姫路城があります。
夕方だったので、ちょっと西日の写真ですみません。
別名・白鷺城ともいい、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての
建築技術の粋を極めた傑作といわれますね。5層7階の天守を有し、
軍事的・芸術的に最も完成された文化財として1993年、日本で
初の世界文化遺産に指定されました。
この姫路城は、関が原合戦のあと、池田輝政によって
建てられました。あまり知られていないかもしれませんが、
それまでは、羽柴秀吉が20年前に建てた三層の姫路城が
建っていましたが、この城を取り壊し、現在の天守となりました。
わずか20年の命であった秀吉の姫路城ですが、この城を
秀吉が手にするまでの心がけを、高森顕徹先生が教えてくださって
います。
***********************************************************
一職を軽視する者は、どんな地位におかれても、不平をもつ
〜秀吉の心がけ
信長、秀吉、家康、三大武将で一番の人気者はだれか。
おそらくカンシャク者の信長より、明朗闊達な秀吉に軍配を
あげるだろう。
なるほど家康は、全国を平定し、徳川三百年の基礎を築いたが、
なにかしら胸にいちもつある「タヌキオヤジ」の印象を受ける。
そこへゆくと秀吉は、一介の水呑百姓からたたきあげ、天下を
取ったが恬淡としている。
負けても勝っても、有頂天にならず、メソメソ後悔もしない。
「太閤さまにまで出世されるには、違った心がけが、あったことと
思いますが……」
ある人がたずねた。
「ワシは、太閤になろうなどとは思ったことがない。草履取りの
ときは草履取りを一心に努めたら、足軽に取り立てられた。
ありがたいことだと一生懸命仕えたら、侍になった。侍の仕事に
夢中になっていると、いつしか侍大将になっていたのだ。
ついに姫路一城を拝領するにいたった。ワシは、一職をうれば
一職、一官を拝すれば一官、その職官に没頭して今日にいたった
のだ。ほかに出世の秘訣は、なにもない」
人生に目標を立てることは悪いことではない。
けれども目標達成に急なるがあまり、今日一日の努力が宙に
浮くことが、おうおうにしてある。
権利だけ要求して義務をはたさぬ者の多い中、与えられた
自己の場で、ただ死力を尽くす。〝あの人には見どころがある〟と、
新しい重要ポストが与えられる。
そこでまた脚下照顧して、ベストを尽くさねばならぬ。
一職に忠実な者は、何事にも忠実だが、一職を軽視する者は、
どんな地位におかれても不平をもつ。不満のある者は成功しない。
与えられた使命を、忠実にはたすことが、成功への道である。
*************************************************************
高森顕徹先生公式サイトはこちら。