姫路城、わずか20年の秀吉の城

 少し前に、仕事で姫路に行ってきました。

JRの駅から歩いて10分、街中に、かの有名な姫路城があります。

夕方だったので、ちょっと西日の写真ですみません。




 別名・白鷺城ともいい、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての

建築技術の粋を極めた傑作といわれますね。5層7階の天守を有し、

軍事的・芸術的に最も完成された文化財として1993年、日本で

初の世界文化遺産に指定されました。

 この姫路城は、関が原合戦のあと、池田輝政によって

建てられました。あまり知られていないかもしれませんが、

それまでは、羽柴秀吉が20年前に建てた三層の姫路城が

建っていましたが、この城を取り壊し、現在の天守となりました。


 わずか20年の命であった秀吉の姫路城ですが、この城を

秀吉が手にするまでの心がけを、高森顕徹先生が教えてくださって

います。

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一職を軽視する者は、どんな地位におかれても、不平をもつ

〜秀吉の心がけ

 信長、秀吉、家康、三大武将で一番の人気者はだれか。

 おそらくカンシャク者の信長より、明朗闊達な秀吉に軍配を

あげるだろう。

 なるほど家康は、全国を平定し、徳川三百年の基礎を築いたが、

なにかしら胸にいちもつある「タヌキオヤジ」の印象を受ける。

 そこへゆくと秀吉は、一介の水呑百姓からたたきあげ、天下を

取ったが恬淡としている。

 負けても勝っても、有頂天にならず、メソメソ後悔もしない。

「太閤さまにまで出世されるには、違った心がけが、あったことと

思いますが……」

 ある人がたずねた。

「ワシは、太閤になろうなどとは思ったことがない。草履取りの

ときは草履取りを一心に努めたら、足軽に取り立てられた。

ありがたいことだと一生懸命仕えたら、侍になった。侍の仕事に

夢中になっていると、いつしか侍大将になっていたのだ。

ついに姫路一城を拝領するにいたった。ワシは、一職をうれば

一職、一官を拝すれば一官、その職官に没頭して今日にいたった

のだ。ほかに出世の秘訣は、なにもない」

 人生に目標を立てることは悪いことではない。

 けれども目標達成に急なるがあまり、今日一日の努力が宙に

浮くことが、おうおうにしてある。

 権利だけ要求して義務をはたさぬ者の多い中、与えられた

自己の場で、ただ死力を尽くす。〝あの人には見どころがある〟と、

新しい重要ポストが与えられる。

 そこでまた脚下照顧して、ベストを尽くさねばならぬ。

 一職に忠実な者は、何事にも忠実だが、一職を軽視する者は、

どんな地位におかれても不平をもつ。不満のある者は成功しない。

 与えられた使命を、忠実にはたすことが、成功への道である。

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           http://www.takamori.info/