ノミとシラミの背比べ

 国内では昨年10月に販売が開始された「小腸用カプセル内視鏡」の

評判がいいらしいです。

 イスラエルの医療機器メーカーが開発したもので、口から飲んで、

胃を通過し、小腸に達すると、内蔵カメラが1秒間に2枚ずつ写真を

撮り、腰に着けた記録装置にデータを送信しながら進みます。

やがて便と一緒に排出され、患者自身が回収するのです。

(もったいない気もするが、もう1回のまずに、使い捨て!)

 
 これまで発見が難しかった小腸内の病変を発見できるようになり、

医療関係者の評価も高いし、患者にとっても負担が少なく、

検査中もデスクワークなどはできるそうです。

 すでに8年前、発刊されたロングセラー『なぜ生きる』にも、

このようにあります。

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 科学の進歩はめざましく、 歩きながら誰とでも会話ができる。

「ケータイ」 は小学生ですら耳にあてている。 腕時計も持てなかった

時代が信じられない。 電子レンジで、 どれだけ料理の手間が

はぶけるようになったことか。 コンビニATMの登場で、

二十四時間いつでも預金や払い戻しが可能になった。 自宅の

「インターネットバンキング」 で、 銀行に行かなくても残高照会や

振り込みができる。 口から飲み込んで肛門まで、 内臓の状態を

リアルタイムで送信する、 超小型コンピューターが開発されたと

いうからありがたい。

高森顕徹先生・監修『なぜ生きる』より)


        高森顕徹先生公式サイトはこちら。

           http://www.takamori.info/

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 そうやって、科学は長足の進歩を遂げ、医学は病を克服し、

人間の寿命が伸びたことは結構なことです。しかし、20年や30年、

長生きできるようになったからと言っても、137億年ともいわれる

宇宙の歴史から見れば、瞬きする間もないほどなのは事実。

 ちょうど、大きな象の足元で、ノミとシラミが背比べしているような

ものかもしれません。


 そんなはかない人生、やがて必ず死ぬ人生で、一体何をすべきか。

人生の目的こそが、最も大事です。でなければ、医学や科学の

進歩だって、生かされないじゃないですか。