ひたひたと、自殺シーズン到来

 新幹線新大阪駅で、男性が博多行きのひかり457号に飛び込み、

はずみで車両の屋根に跳ね上げられたそうです。まもなく駅員らが

救出し、全身を強く打っていた男性は病院に搬送されましたが、

意識はあったといいます。助かるといいですね。


 アメリカの金融危機が世界中に大不況をもたらし、何の解決策も

ないまま、日本は自殺シーズンを迎えました。もの悲しい秋よりも、

寒い冬よりも、春の自殺者は最も多いんです。3月は企業の決算の

時期ですし、4月になると新しい環境になじめない人が自殺を

選ぶケースが増えます。


 すでに10年連続で自殺者が3万人を突破しているわが国は、

この10年で30万人死んだことになります。中核都市が一つ

消滅する規模です。

 朝のみのもんたの番組で、3万人という数字は、東京マラソン

参加した人数ほどだそうで、コースを埋め尽くして走るランナーの

映像が流れていました。見た人もあるでしょう。

 あれだけの人数が1年間に自殺する、とは衝撃です。それが

10年も。これはもう、戦争に匹敵するでしょう。


 死にたい人が自殺する、と考えるのは短絡的です。実際に、

自殺した人の7、8割は、周りの人に相談していたと、

みのさんの番組でも語っていました。

 福井県に、断崖絶壁の東尋坊という名勝があり、ここでは

年間10名ほどの自殺があると聞いたことがあります。しかし、

それよりも圧倒的に多い人数が、直前で保護されているのです。

 北陸各地や関西方面などから、自殺しようとして東尋坊

着いても、2時間も3時間もうろうろする。そのうちに、そんな

人を見慣れている土産物屋のおばちゃん達が警察に通報して、

助かることがよくあるそうです。


「死にたくない。でも、生きたくもない」

「死にたい!でも、だれか助けて!」

といった感じが、自殺者の心模様でしょうか。生き物は、虫一匹から

魚や鳥、牛や豚に至るまで、みな死がこわいのです。殺そうと

すれば、逃げます。死にたくないんです。

 死にたくないのに、死んでいかねばならない大矛盾。

人間として生まれてきたのは、生きて苦しんで、場合によっては

自殺に追い込まれるためか。


 親鸞聖人の教えには、どんなに苦しくても、生きる理由が

説かれているんです。それが、人生の目的です。





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