ピンピンコロリは本当にいいか

「ピンピンコロリ」は、お年寄りの最大目標といいます。

もとは長野県のある町で、高齢者の健康づくりキャンペーンの

キャッチフレーズとして考え出された言葉だそうで、

ピンピンと元気に老いて、最後は寝つかずコロリと死ぬのが

よいという意味です。「PPK」とも。福祉や医療の世界では、

理想の老い方のようにいわれています。


 ところが、「私もそう思っていた」という医師で作家の

久坂部羊氏が、安易に推奨すると傷つく人がいると分かったと

言います。脳梗塞パーキンソン病などで、すでに体が

思うように動かなくなっている人たちです。そりゃあ、そんな

人の前で、「PPKがいいねえ」なんて言ったら、

いやみに聞こえるか、最悪「いい加減に……」という意味にも

なりかねませんね。


 結局は、まだ老いていないか、老いても元気な人の視点で

語られる言葉だと悟った久坂部さんは、自身が老人医療の現場で、

病気や障害を抱えた多くの老人を診ていたのだから、

「PPK」など推奨せず、どんな生き方でも死に方でも、

自分の思う道を選べばいいと言うべきだったと、

反省しきりのようです。


 そこで、もう1歩踏み込んで、死に方も選べばいいと

言いますが、ピンピンしていない人が、死にたいと

漏らしたら、何と答える準備ができているのでしょう。

 体の自由も人間としての尊厳も奪われ、寝たきりで生きている

人に、生きねばならない理由はあるのでしょうか。

 私の父の最期の2年間もそうでした。


 その答えが、仏教にはあるんですよ。

ピンピンコロリなんて言わず、人生の目的を果たすまでは、

生き抜いてください。





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