身を責める道具
大阪地裁で、小室哲哉被告の裁判が始まったようですね。
今となっては、いろいろケチをつける人もあるけれど、絶頂の時の
曲は、結構好きでした。trf の楽曲には希望があふれているし、
華原朋美の歌にも愛があふれていた感じでした。それでいて、
売れすぎてしまった自分への戸惑い……。分かりにくい歌詞が
多い中にも、自信と不安が入り混じっていたように感じます。
自分でも語ったそうですが、一介のミュージシャンが多額の
お金を手にして、どうすればいいか分からなくなってしまった
のでしょう。月に2000万円前後も生活費が必要になるまでに。
しかも、一度味わった豪奢な暮らしは、そう簡単には
捨てられない。どんなに苦境に立っても、陽はまた昇ると
信じていたようです。
カジノとかで一発当てた人が、その後の人生に狂いが生じ、
貯金どころか借金を抱えるまでに転落するのに似ています。
好き勝手に批評している私たちも、同じ境遇になれば、
やっぱり道を誤るでしょう。
お金だけでなく、土地や財産、地位や名誉なども同じです。
「この世の宝は身を苦しめる道具になることが多い」と、
仏教を説かれたお釈迦さまはおっしゃいました。
本当の幸せは、別のところにあるようです。