読書日記・その10「グライダー人間と飛行機人間」
100万部突破の『思考の整理学』(外山滋比古著)に学んで、
グライダー人間 兼 飛行機人間に!
……って、それナニ? 鳥人間じゃありません。
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人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが
前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。両者はひとりの
人間の中に同居している。グライダー能力をまったく欠いていては、
基本的知識すら習得できない。何も知らないで、独力で飛ぼうとすれば、
どんな事故になるかわからない。
しかし、現実には、グライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるでなし、
という〝優秀な〟人間がたくさんいることもたしかで、しかも、そういう人も
〝翔べる〟という評価を受けているのである。
学校はグライダー人間をつくるには適しているが、飛行機人間を育てる努力は
ほんのすこししかしていない。学校教育が整備されてきたということは、
ますますグライダー人間をふやす結果になった。お互いに似たような
グライダー人間になると、グライダーの欠点を忘れてしまう。知的、知的と
言っていれば、翔んでいるように錯覚する。
(中略)
他方、現代は情報の社会である。グライダー人間をすっかりやめてしまう
わけにも行かない。それなら、グライダーにエンジンを搭載するにはどうしたら
いいのか。学校も社会もそれを考える必要がある。
この本では、グライダー兼飛行機のような人間となるには、どういうことを
心掛ければよいかを考えたい。
グライダー専業では安心していられないのは、コンピューターという
飛び抜けて優秀なグライダー能力のもち主があらわれたからである。自分で
翔べない人間はコンピューターに仕事を奪われる。