最低の、そのまた下の罪人とは、どんなヤツか
「大聖おのおのもろともに
凡愚底下のつみびとを
逆悪もらさぬ誓願に
方便引入せしめけり」
アニメ解説の今日、浄土真宗親鸞会館で、『王舎城の悲劇』について、
高森顕徹先生から教えていただきましたよ。
バカ者の底の、そのまた下のつみびとを、弥陀の本願に導き入れるための
諸仏方の芝居であったと、親鸞聖人はおっしゃっています。
最低の悪人とは、どんな人か。そのまた下の罪人とはだれか。
こんな話から、考えてみませんか。
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時は1939年9月1日、ドイツがポーランドに侵攻したのが、
ことの始まりだった。ただちにイギリス、フランスはドイツに宣戦布告し、
第二次世界大戦が勃発した。
1940年6月、フランスがドイツに降伏、フランス軍はドーバー海峡を
渡ってイギリスに逃れたのだった。ヨーロッパ西部をほぼ制圧したドイツは、
イギリスに降伏を迫るが、イギリスは断固拒否、同年7月、ドイツは
イギリス本土へ本格的な空襲を開始したのである。特にロンドンへの空襲は、
9月から11月はじめまで続く。
大変な打撃を受けていたイギリスにとって、ドイツ軍の情報入手が
最重要課題だった。が、ドイツ軍は優秀な暗号作成機を使って、
通信していた。三つの歯車と電気プラグで暗号を組み替えるもので、
その組合わせの数は10京(1の10万倍)もあった。しかも、
ドイツ軍は毎日、暗号の組み合わせを変えてくるため、暗号の
解読は不可能とされていたのである。
イギリスは、ドイツ軍の暗号を解読するため、外務省暗号研究所に約1万人の
人材を投入。その中、数学者・チューリングを中心とするチームが、
電磁石を使った電気式計算機を開発し、1940年11月、見事に暗号の
解読に成功したのである。
さっそくドイツ軍の暗号を解読した結果、ドイツは攻撃目標を
ロンドンから別の都市へ変更し、最初の標的はロンドンの北西にある
コベントリーという町で、攻撃の日は、11月14日と判明した。
情報はチャーチル首相のもとに伝えられ、暗号研究所のメンバーは、
イギリス軍がドイツ軍を返り討ちにしてくれるものと信じていた。
ところが、実際にはチャーチルはこの情報を無視、人口25万人の
コベントリーは無防備のまま、空襲を受け、大変な被害が出たのである。
チャーチルは、コベントリーを失うことよりも、イギリスの暗号解読能力を
知られることを恐れたのだ。
イギリスは国家機密を守るために自国の市民を犠牲にしたが、
これは正しい判断であったとされ、チャーチルは英雄となり、1953年には、